更年期の身体へ及ぼす影響とは?症状から対策まで解説

更年期症状全般

更年期の女性が体験する不調はさまざま。
その症状は200種類以上もあるといわれ、人によって重さも異なり8割以上の人が複数の症状を持っています。
大きな原因は女性ホルモンであるエストロゲンが減少して自律神経が乱れることにあるのですが、それによりどんな症状が出るのでしょうか。
ホットフラッシュをはじめとし、吐き気や乾燥など代表的な症状とセルフケアをご紹介します。



更年期に出やすいとされる代表的な身体の6種類の症状

一般的に40代~50代へ影響が出やすい更年期症状は、ホルモンの影響や閉経年齢に個人差があるためばらつきが出ます。ご紹介する症状はあくまでも代表的なもので実際はもっと多岐にわたっています。また、日によって症状が違う事も珍しくはありません。
更年期症状の中に別の病気が潜んでいる場合もあるので、不安な方は専門医へ相談してくださいね。
それでは代表的な症状を6種類ご紹介します。

ホットフラッシュ

「ホットフラッシュ」とは体温が急に上昇したり汗が止まらなくなったりする、体ののぼせやほてりの症状が出ることで、日常生活にさほど問題にならない軽症の方も含めると女性の6割程度が経験するといわれています。
原因は女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、血管の収縮や拡張をコントロールする自律神経が乱れ、体温調整が上手くいかないことにあります。
ホットフラッシュに関する記事も書いていますのでこちらも参考にしてくださいね。

動悸・息切れ

激しい運動をしていないのに突然胸が痛くなるくらいドキドキしたり、少し動いただけで息切れしてしまったり。就寝時など安静にしている状態でも症状がでることがあります。
脳にある視床下部の異常により呼吸を調整する自律神経のバランスが乱れて、心臓や呼吸のコントロールが不安定になることが主な原因です。
緊張、過労やストレスを感じる時に起こりやすく、症状が出た時はまず落ち着いて腹式呼吸で深呼吸を行ってみましょう。呼吸を意識することで心も落ち着きます。

頭痛・肩こり

女性は元々冷え性の方が多く、それによって頭痛や肩こり症状がある方も珍しくありません。
頭痛はこめかみや頭の片側がズキズキする「片頭痛」と、頭が締めつけられるような痛みがする「緊張型頭痛」の2種類が代表的。肩こりからくる頭痛もあります。
頭痛や肩こりはホルモンの急激な低下だけではなく、加齢による筋力低下や老眼も原因の一つです。
自律神経が乱れると痛みに敏感になってしまう人もいますので、頭痛薬を早めに飲んで症状を少しでも軽減してくださいね。
指定用量で効果が出ない場合は別の原因も考えられますので、頭痛外来などの専門医にご相談ください。

吐き気・胃もたれ・胸焼け

胃腸は自律神経の影響を強く受けてしまうため、更年期でエストロゲンの分泌が減ると消化機能が落ちて弱ってしまうことがあります。夜中に胃がムカムカして目が覚めたり前触れもなく突然吐き気が訪れることも。
規則正しい生活を心がけて自律神経を整えることが大切です。
食欲のない時は消化が良くて栄養価が高い大豆製品卵のお粥がおすすめ。卵は半熟状態が一番消化しやすいので最後に溶いて入れるのがポイント!
吐き気と同時に胃が痛んだり眩暈がする場合は一度医師にご相談ください。

皮膚や粘膜の乾燥

更年期になると皮膚の水分保持機能が低下して乾燥しやすくなり、湿疹や肌荒れ、ドライマウス、ドライアイなどの症状が現れやすくなります。
また、加齢により唾液や身体の水分が保たれにくいことも原因の一つです。
こまめな水分補給や意識してまばたきをすることが大切です。お風呂上がりの保湿も忘れずに!
肌の乾燥に関する記事はこちらで詳しくご紹介しています。

頻尿・尿失禁・性交痛など泌尿器・生殖器症状

頻尿や尿失禁は膀胱や尿道、子宮など骨盤内の臓器を支える筋肉「骨盤底筋群」が緩んで、臓器がきちんと支えられなくなる事が原因です。骨盤底筋体操などで改善する場合も多くりあります。
他の病気が原因で症状が出る事もありますので気になる方はきちんと泌尿器科を受診してください。
性交痛は膣の機能低下によって乾燥しやすくなったり、潤滑液などが十分に出ないなどが原因となります。痛みを我慢せずにパートナーに相談をしましょう。

骨盤底筋体操

(1)仰向けに寝て足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げてリラックス。立った姿勢や椅子に座った姿勢でもできます。
(2)肛門、尿道、膣全体を締め、陰部全体じわじわっと引き上げる感じで締めます。尿意を我慢するようなイメージで。
(3)5秒間締めてからだをリラックス。締める時にお腹に力が入らないように意識してください。
(4)(2)と(3)を1セットとし、10セット繰り返します。

更年期症状に負けないためのセルフケア

「更年期」という言葉だけでネガティブに捉えて不安に感じる方も多いと思いますが、セルフケアを行えば症状を軽くすることもできます。
日常生活のちょっとした見直しや改善で出来る事もありますので、意識して取り入れてみてください。
不安を軽くするだけでストレスも軽減されるので家族やお友達に相談するのもおすすです。

生活習慣を見直す

更年期のセルフケアの基本は「運動・食事・睡眠」。生活習慣を見直すこと。
体調をみながら軽い運動やストレッチ、エクササイズをして体を動かす習慣をつけましょう。
エスカレーターの代わりに階段で上る、テレビを見ながらお腹に力を入れてみる、そんな簡単な運動でも毎日意識する事が大切です。
食事は栄養バランスのよい食事をとるように心がけてください。身体を作る上で基本となるタンパク質や、骨粗鬆症を予防するカルシウムは特に意識してください。また、女性ホルモンと似た働きをする大豆製品や亜麻仁油をおかずの一品に取り入れると◎
あとは睡眠をしっかりととること。寝る前に色々と考えてしまう方は自分の呼吸を意識して深呼吸をしてみたり、「まあいっか」「とりあえずOK」などポジティブな言葉を声に出してみてください。それだけで肩の力が抜ける事もあります。この時に声を出して言う事が大切です。

更年期向けのケア商品やサプリメントを試してみる

更年期症状向けのサプリメントや漢方が市販されているため、自分に合うものを探してみてはいかがでしょうか。
女性ホルモンと同じような働きをする「エクオール」「リグナン」や、更年期に不足しがちな「カルシウム」「ビタミンD」などをサプリメントで補ったり、漢方で体質改善を検討するのもおすすめ。
サプリメントはあくまでも栄養補助なので食事はきっちりとってくださいね。
更年期の肌はより敏感になるため、肌にやさしい成分が入った化粧品選びも重要です。

まとめ

更年期が身体へ及ぼす影響は実にさまざま。今回紹介したのは代表的な症状となります。更年期障害の症状として認知度の高いホットフラッシュだけではなく、吐き気や乾燥、息切れ、頻尿など一見して更年期障害に結び付けにくい症状も現れます。
一口に「更年期障害」と言っても、人により症状も重さも違うため対策も異なりますが、大切なのはやはり生活習慣です。「運動・食事・睡眠」をしっかりと見直し、少しでも症状を和らげましょう。

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